なでしこ、オリンピック第2戦…谷川が救った。
2024.07.29
グループステージ第2戦はブラジル。ブラジルとは昨年12月にアウェイで2戦、今年4月にもアメリカで戦っており、昨年の対戦では日本のセンターバックの足元の脆弱さを突かれて敗戦もあったり、今年の対戦ではPK戦で止められまくりという経緯でのオリンピックの舞台での再戦。
清水を失った日本は3バックのフォーメーション。だがウイングバックは清家はジョーカーで残したつもりなのか、右ウイングバックは古賀、左は守屋。古賀は突然のウイングバック起用でリアルに気の毒だし、守屋は右サイドだろうと思うが、加えて藤野が急遽ベンチ入りメンバーを外れ、メディアにも事前情報が無くネットでもやや騒然。前線は田中美南を中央に右に宮澤、左に浜野という配置。
ブラジルも3バックを敷いてきてマッチアップする形となったこともあって、序盤からブラジルがボールを持つ展開。TV実況ブースでは日本は慎重な入りとか言っていたが、いやいや取りどころが無いんでしょ。
それでも昨年のワールドカップで見せたような、ロングフィードから宮澤が抜け出しての絶妙なクロスの決定機を、中央でフリーの田中がワンタッチで叩いたがマウスを外してしまう。
さらに前半アディショナルタイムには左サイドの(ここまでほぼ右足しか使えない)守屋がカットインしてシュート、、、これが腕に当たりPK獲得。試合のペースを作れない日本には千載一遇のチャンスだったが、これを力の無い、しかもゴールキーパーとの間合いも重心をずらすこともできていないショボイPKでキャッチされてしまう。。。
PKスポットに向かった田中を見て誰もが失敗しそうと思ったよなぁ。。。
スコアレスで迎えた後半、やや攻勢に出始めた日本だが(元々の意図であるはずの3バック中央の熊谷のフォアリベロの形も取り始めたが)前線のボールロストからショートカウンターを仕掛けられ、残っていた最終ライン2枚に対して相手2枚に翻弄されて先制ゴールを奪われてしまう。
ここで浜野に替えて植木を投入。
植木の折り返しを田中がフリーで受けてシュートもブロック、インナーラップした守屋のクロスを受けた田中が反転してこれは見事なボレーシュートを放ったが、ややゴール正面でゴールキーパーのセーブに阻まれる。
25分に古賀に替えて右ワイドに清家を投入。35分にはいよいよスクランブルか、宮澤に替えて(ようやく)谷川、左ワイドの守屋の位置にフォワードの千葉玲海菜を投入。
谷川は早速存在感を発揮、そしてアディショナルタイムに入ろうという時間帯、ペナルティエリア内右でボールを持った谷川が切り返し、、、これにスライディングしたブラジルのディフェンダーの手に当たり、VAR介入からオンフィールドレビューでこの試合2つめのPK獲得。
今度は熊谷がPKスポットへ向かい、ゴールキーパーの逆を突いて沈めて同点に追いつくことに成功。
やれやれ…と思ったが、アディショナルタイムも残り2分ほどになったところ、清家のプレスからこぼれたボールを谷川がワンタッチで奇跡の(優に30メートル越え)スーパーミドルシュートを叩き込み逆転。
相手ゴールキーパーの意表を突いたとはいえ、そんなに前に出過ぎというポジショニングでもなく、あの軌道、あのスピードは誰にも止められない弾道でゴールキーパー一歩も動けず。
シュートがゴールに向かう途中でオ~!!って声が出ましたがな(笑)
ボールがゴールマウスに吸い込まれた瞬間、思わず立ち上がってしまったし、そのまま駆け出しそうになった(笑笑)
正に谷川がひとりで日本を救う活躍で、完全な負け試合だったのを勝点3ポイント手繰り寄せた。
だからぁ、谷川を使うしかないってずっと私は言ってるし、結構多くの方々もそう言ってる。確かに谷川を中盤センターに置くとバランス的な部分で不安があるのかもしれないが、そこをカバーするシステムを見出すのが采配だろうってば。(そういう意味では、長谷川唯がどうしてマンチェスター・シティのアンカーで見せているようなパフォーマンスが発揮できないのかもやや類似の問題と思っている…)
それくらい中心的存在に据えるべき選手なわけで。そんなこともわからんのですか、と問い詰めたいレベルだ。谷川の強度と推進力(実際、このチームには中盤センターの推進力が決定的に欠けている…)そしてフィニッシュ能力を生かそうとしないのはどうかしてる。これで監督・コーチングスタッフの考えが変わることを期待したいものだ。
(今大会ではもはや遅きに失するが、今後のチーム編成において…)
敗れたブラジルの母国メディアのヘッドラインが粋(いき)だ。
日本のネクストスターに出会う…
ブラジルVS日本のストーリーを変えた…
だそうだ。ちゃんとこうして相手チームの選手を賞賛できるのは、さすがにフットボール大国だな。
※追記。
谷川のゴールシーンがYouTubeで(1つの動画だけで)急上昇ランク1位にもなるし物凄い再生数になっており、その1つだけで400万回に届こうかというレベルだ。
(他の動画も合わせれば凄まじい再生数だろう…)
※追記その2。
400万回再生を数えていたのは「テレ東スポーツ」チャンネルだが、何故だか一旦削除。その後に再度アップという不可思議な行動。何か修正事項があったのならコメント欄で対応すればよいことで、「サッカー」が再生数400万超えなんてマズイ、、、などという意図が働いたのかと勘繰る向きも少なくないんだが。。。
カテゴリー:2024ナショナルチーム(日本代表), 女子サッカー