「なでしこ」じゃない日本、見事に難敵を撃破して優勝。

…というわけで、アジア大会(アジア競技大会)に出場しているのは「なでしこ」じゃない日本チームなわけだが、相当な苦戦が予想された北朝鮮とのファイナルを4-1というスコアで下して見事な優勝を成し遂げた。
https://kohs-football.com/6927/

この試合で特に目を引いたのは、17番のセンターバック左の古賀と、14番の中盤センターの谷川。2人とも高校生年代だ。
古賀はきっと多くの視聴者が思ったと思うが、正に冨安ばりのプレーが幾つも。私もこれは凄い…って思わず声が出たプレーが少なくとも2つはありましたよ。
古賀が「なでしこ」のセンターバックに入れば、熊谷を中盤底で使えるしな。
谷川は勝ち越しゴールを生んだコーナーキックでのアシストもあったし、その直後にはワンステップでの左足で上手く上体を被せたミドルシュートで追加点も奪って見せた。
前半から、北朝鮮の圧に全体が押される中、それでも中盤底から前へ出て行くプレーは実に積極的。それは中盤センターの相方の脇阪も同様で、2列め中央の塩越がほとんど機能していなかった中、非常に重要なチームの心臓となっていた。それでも前半は北朝鮮の攻撃対応に手を焼いている風な局面もあったが、後半になると風格さえ感じさせるパフォーマンス。元々キックに定評のある谷川だが、寄せられてもブロックして崩されずにキックすることができる選手だ。
谷川も古賀も、今年開催された女子ワールドカップのトレーニングパートナーで帯同していたよね。
また積極性ということでは、両サイドバックも引きこもってるんじゃなくインナーラップも積極的に仕掛け、このチームのコンセプト、フィロソフィーが垣間見られた印象を持った。

序盤から押され続けていた状況で、右サイドの7番の山本柚月のカットインからの逆サイドの裏へ送ったボールに、中嶋淑乃が抜け出してゴールキーパーとの1対1を制して決めたゴールも素晴らしかった。
あそこで山本へワンタッチで付けたのも谷川。
また、中嶋はバウンドしたボールをインサイドキックで合わせてしまうところ、ワンタッチでインステップで合わせてゴールマウスに送り込んだフィニッシュも技術を感じさせた。

後半立ち上がりの選手交替(2枚替え)で右サイドの山本を下げたのはちょっと驚いたが(今大会、攻撃面で山本が鍵となっていたと思うので…)日本の右サイドをかなり使われていたので、その対応を考えたのかもしれない。山本の守備力というより(むしろ気になっていたのは右サイドバックだろう…その後も右サイドバックには選手交替や配置替えを行っている)前線からの対応や攻防を意図したものなのかもしれない。
そのあたり、取材して来て欲しいものだ。

試合の方は予想どおり北朝鮮のプレー強度とフィジカルコンタクトに押されっぱなしの感があった内容だったが、その状況下でもチャンスを作り出してしっかり決めるという、素晴らしい試合運び。
スコアは4-1だったが、一歩間違えた逆のスコアもありえたスリリングな一戦だった。
フィールドプレイヤーでは、塩越、中嶋淑乃、今年の女子ワールドカップのメンバーだった千葉玲海菜といった(いわば)中堅の世代以外は高校生年代を含めた若い世代で構成されたチーム。
それでもこうして優勝を成し遂げたことは本当に素晴らしい。

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