なでしこ、オリンピック初戦はスペインに1-2逆転負け。

2024.07.26

スターティングラインアップを見た時の印象は、てっきり3バックで、古賀と長野を中盤センターに置いて長谷川唯を1列前かと思ったんだが、試合が始まってみると4バック。
古賀は左サイドバック、4-4-2のフォーメーションのようで、清家が中盤右かと思ったら左、右は宮澤ひなた。この意図は知りたい。
2トップは田中美南と藤野で、なるほど藤野は中央に置いてもフィジカルコンタクトも行けると判断してきたか、と。
NHKの中継ではコメンテーターが、選手たちがもう少しボールを握りたいと言っていたとのことで、それが本当ならちょっと嫌な予感。。。

キックオフ早々、相手のパスをカットした宮澤から田中へ、ワンタッチでスルーパスを送り藤野がゴールキーパーと1対1になったがシュートは弾かれゴールならず。
だが13分、田中が倒されて得たフリーキックを藤野がニア上に決めて日本先制。

だが、スペインは慌てることもなく、日本の左サイドの清家が起点になっていると見て取ると、そこに2枚が寄せて行って封じる。相手のプレーやシステム、やり方を見てすぐに応対してくる。そのIQの高さ。
そして日本の左サイド（スペインから見ると右サイド）を起点に、中盤センターが脆弱なのは見通し済みで、そこへボールを入れて来る。
華麗にパスを繋ぐが、あれをパスだけ見ていては全然不十分。貰いに来る選手の動き出し、顔を出すタイミング、角度、もちろん距離間等々、スペインなんて子どもの頃からリテラシーとして仕込まれていることに目が行かないと。
そんなこんなでボンマティの華麗なステップからのゴールであっさり同点。一夜明けて日本のTV局はこの失点を一瞬のスキとか言ってるが（日本の旧メディアが大好きな表現の1つだが…）そんな見方しかできないから終わってる。。。

後半、清家に替えて浜野を投入、宮澤を左へ回して浜野は右へ。宮澤はベンチの指示だろう、、、より最終ラインへ加わる意識が高く（前半の清家も見ていてそうだったが、清家のパフォーマンスは不十分と考えたのだろうか…）ほとんど5バック。
それはイイんだが、そうして引き込んでからの（昨年の女子ワールドカップの4-0と快勝したスペイン戦のような）カウンターが繰り出せるような策なり手立てはどうやら無かった模様。
後半立ち上がりからスペインは今度は左サイド（日本の右サイド）から攻撃を組み立て。それへの対応なり見越した采配も見られず。。。
マネジメントの力不足を感じるなぁ、、、そもそも日本人監督・コーチは、次の手、その次の手という策や対応策がほぼ無い。
そして清水がおそらく靭帯を痛めて交替。高橋はなが入って古賀が右サイドバックへ移るが、スペインは29分、日本のゴール前を横切る動き・ドリブリングからゴール隅ギリギリに吸い込まれるゴールを沈めて逆転。
前半から日本の最終ラインを横切る、ないしは横に動いてから裏を狙う動きが何度かあり、何故かああいう動きは日本人選手はできない（?）少ない。。。

日本は雑なフィードが多くなり、ここら辺にもチームマネジメントの拙さを感じる内容。浜野だって、あんな低い位置からのプレーだとほとんど機能しないだろう。
アディショナルタイムにはさすがに押し込んだが、ゴール前でルーズボールを拾った長野は、スペインのディフェンダーとの距離はあったので当然シュートを思いきや、、、シュートの蹴り損ないなのかファーへのパスのつもりだったのか、ガッカリ。
その直後ももう時間が無いのに中盤でバックパス、、、そういうパスを出してりゃレフェリーはタイムアップの笛を吹く。

というわけで、逆転負けのスタートとなった。
北川に続いて清水も靭帯を痛め、北川は帯同しているけれどもプレーできる状態かもわからず（伝えられず）清水は今大会プレーできない可能性が高いと思われ、ケガは仕方ないものの、バックアップメンバーの選出（入れ替え）も含め、こういうマネジメントへの疑問も。。。
この試合では林もコンディション不良でベンチメンバーから外れており、それもあってか長野と長谷川をフルタイムプレーさせてしまい、じゃ谷川とか使わないのは何なのか（まだコンディションが上がらないのか）まだ使えるレベルでないと考えているのか、だが閉塞した状況であるからこそ使ってみる価値があると思うんだが。
この試合の後に行われたナイジェリアVSブラジルは1-0でブラジル勝利。次戦のブラジル戦は勝利が必要となるが、特に両ワイドを欠くメンバーで、この監督・コーチングスタッフが相応のマネジメントをしてくれるのかね。

なお、NHKの実況アナウンサー、スペインのことをワールドカップ・チャンピオンと度々称していたが、ワールドチャンピオンなり世界チャンピオンで十分。ま、中継最後の方では世界チャンピオン、ヨーロッパチャンピオンと称したが。