“中東諸国の大会”になったアジアカップ…

今大会序盤からこれは中東諸国の大会になる可能性があるな、と思った今回のアジアカップ。日本が仮に(大会前の大方の予想どおり)ファイナルへ進出したとしても(←それもグループ1位で突破して)ファイナルの相手がどこになろうと結構キツイかもしれない、とも思ったんだが正にそういう様相を呈してきた感。
ま、中東開催ということもあってパワーが増している感もあるし、だがそれだけを捉えていては不十分だろう。結果だけではなく試合内容としても、というところ。

ま、日本が優勝した過去の大会でもベスト4は日本以外は中東(2011年大会のオーストラリアを除いて)という体ではあるんで、イージーに今大会成績上位を中東諸国が占めているというわけではない。
昨夜のヨルダンVS韓国を視たが、韓国も今大会ピリッとせず、得点もセットプレー頼みで(日本同様)失点が多く、大会途中から4バックを3バック(3センターバック)に変更したくらい。
このセミファイナルは同グループだったヨルダンとの再戦。グループステージでは2-2、試合終了間際のアディショナルタイムに韓国がドローに持ち込んでのドローだった。

韓国はセンターバックのキム・ミンジェが累積警告でサスペンション。この試合は4バックに戻して4-4-2(あるいは変則的な4-3-3的??)なフォーメーションで臨んだが、序盤からヨルダンのスピードとプレスにファイナルサードでボールを運ぶのもままならぬ展開。
ぶっちゃけ中盤の構成力で明らかにヨルダンに負けていて、ヨルダンの速いプレスと囲い込みのあるんだが、韓国は組織性が醸成されていない(チームとしてのベースが無い)のが丸わかり。
なんでも選手同士でいろいろ話し合っているとかの記事も目にしたが、チームのベースが無くて選手に丸投げって、マジでどっかと同じだ。。。
ヨルダンは3-6-1ないしは5-4-1のシステムがハマっており、加えて単に「5-4」のブロックを敷いているだけでなく、最終ラインのスライドやラインブレイクしてプレスに出たら中盤がスムースに最終ラインに入る…そしてボールを奪うと素晴らしいスピードで前線へ出て行く推進力と機動性を有し、重心を後ろにかけた弱者のフットボールと片付けてはダメだろう。

韓国としては前半30分過ぎの右クロスにバイタルエリアのスペースに後方から走り込ん来てのヘッドがポスト叩いたシーン、もう1つ同じようにサイドからのボールをバイタルエリアでフリーでシュートした(上手くミートできずクロスバーを越えてしまう)シーンが惜しかったが、終始ヨルダンのペース。
ヨルダンは後半立ち上がりに、韓国のバックパスのミスを誘発して見事なスルーパスとダイヤゴナルランから巧みなゴールを沈めて先制。
2ゴールを
さらに中盤でボールを奪ってからのカウンター、、、4人に囲まれながら巧みにコースを変えてスペースを突いてペナルティアリア外から鮮やかに沈めて追加点。
韓国の守備は序盤から、相手ボールホルダーを囲むんだが、ボールを奪うこともバックパスさせることも、パスコースを限定させることもできておらず、ヨルダンの選手の巧みなドリブリングもあろうが、それよりも守備の仕方・プレッシンのかけ方がチームとして作れていないのが見て取れていた。
試合後のスタッツを見れば、シュート数も大きく上回られ、韓国の枠内シュートはゼロ(0)で、だいぶ内容的にも差を付けられた完敗と言ってよいだろう。

この試合のヨルダンは、グループステージでの韓国戦の時より集中度もコンディションも明らかに良さそうで、日本は大会前のトレーニングマッチで6-1で大勝だったようだが(ヨルダンの監督はトレーニングマッチ後のコメントで日本は予想をはるかに上回るチームだったと…)大会終盤でこの状態のヨルダンと再戦したら相当に厳しい戦いになったろう。

アジアカップは元々難しい戦いではあるんだが、そんなことは承知しているんだが、ヨーロッパのクラブで存在感を発揮している選手たちを多数集めれば勝算が高い大会ではないこと、中東諸国だけでなく東南アジア諸国も含めアジアのレベルが格段に向上していること、環境面(アウェイ感)を含め中東での試合は(大昔と同様に)再び非常に厳しいものになるのが予想されること、等々、、、もう一度認識を改める必要がありますね。
もっとも、ワールドカップ予選のような長期に渡って行われるリーグ戦とごく短期にノックアウト方式の戦いとでは根本的に違うんで、警戒感を大いに持つことは必要だが、ワールドカップ予選の勝ち抜けを心配するのは全く違う。日本をはじめ、韓国、オーストラリア、サウジアラビアの4ヶ国が安定してアジアの第1グループであることに変わりはないけれども。。。

お、そういえばヨルダンVS韓国のスタンドにベッカム氏が居ましたね。
今夜、国立競技場でインテル・マイアミとヴィッセル神戸のプレシーズンマッチが行われるが、オーナーの一人であるベッカム氏は何の目的でカタールに行っておったんですかね。

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