悪い冗談は止めてくれ!

日本サッカー協会の原技術委員長が、グループリーグを突破した場合は岡田監督に続投要請する考えを示したという記事が一部スポーツ紙に載ったのが昨日。いわゆる「飛ばし」だと思ったが、21日に現地で犬飼会長にメディアが取材した??ところによると、「まったくわからない」云々と白紙めいた応対をしたようで、またもや反応をみるために一部スポーツ紙にそういう記事を書かせたのか??と勘ぐりたくもなる、、、ということは結構真剣なプラン!!ということか??


冗談にもならない。不快。(そもそも「続投」という言葉は日本語として止めてくれ。)
たとえ今大会でどこまで勝ち上がろうと、監督は交替してもらわないと困る。そもそもなんで岡田だったのか。もう一度振り返ってみるべきだ。岡田氏はあくまで(アジア予選が進行中であるという状況の中で)緊急避難的に監督に就任したのであって、その時に私も、最良ではありえないし次善でもないし次々善か次々々善くらいかもしれないけど緊急避難的には良い判断と書いた。幸いにしてワールドカップ出場権を得ることができた。(丁寧に書く方が適切なら、岡田監督が緊急避難的に監督を引き受けてくれたおかげで出場権を得ることができた。)しかしアジア予選の戦いぶりを見ても、本大会を任せるには足らないし任せたつもりもない。任せたつもりは毛頭ないのに、相変わらず岡田監督の日本フル代表チームを見てきたわけだ。
本来ならば出場権を得た後で直ちに本大会に臨む監督をどうするのか議論すべきなのに、それがなされた痕跡もない。あたかも岡田監督で本大会に臨むのが当然であるかのような。日本はどうしてこのようにご祝儀的に、予選を勝ち抜いた監督がそのまま本大会でも指揮をとるのか。いつもアジアの戦いと本大会の戦いは全然異なる、と言っているくせに。そんなに全然異なるなら、それぞれに合った監督をチョイスするのが普通の感覚ではないか。そしてアジア予選でもナンだった監督が、本大会向きとはとても思えないが。
今大会の日本チームの戦い方が良いなんて思っている人間はいない。結果が全てだとイージーに口にする人も多いけれども、そういう単純なものではない。理想とする追求するフットボールは一体何なのか、どういう日本らしいフットボールを具現化したいのか、それこそが重要。そしてそれが見えない。
サッカーというのは実に面白いもので、それぞれの国や地域の文化や性質が戦い方に反映される種目・競技。だから全世界で人気があり、それぞれの国・地域・小さなクラブやチームに至るまで個性や特色があり愛好される。そして理想の追求が、たとえ勝利に結び付かなくとも賞賛されたりいつまでも語り継がれることもある。他国からも賞賛されたりもする。その反面、理想を捨て去って現実的な戦いをした方が目先の勝利(のみ)を得ることが多い(少なくない)のもフットボールの特徴。
ちなみに今大会前、民放地上波TVでの一般の方々への街角インタビューで、ある主婦の方が、負けてもいいからよい戦いを見せて欲しい、みたいなことを言っていた。とっても的を射たコメントだと思う。そこがいつもいつも毎度毎度ダメダメだったからガッカリの連続だったから、世間や一般大衆の日本代表チームに対する熱が冷めていたわけなんだから。
今大会の日本チームは、言うまでもなく後者…すなわち目先のなりふりかまわぬ勝利に土壇場で舵を切ったわけで、しかも土壇場であったことが問題なのであり、土壇場であったにもかかわらず結果も伴わせられたとしたら、それはまず第一に、それに順応して機能した選手たちの力量に負うところ大と考えるべきだ。
今大会の2戦を通じて、守備は通用したというコメントがサッカー評論家や実際に今現在現場で監督をしている人から出ているが、そのコメントは誤解を招く。あくまで今大会の2試合においてとった戦術の中で守備は機能した、今回の戦術では守備は結果的に成功した、とでも言うべきだ。もしくは守備重視戦術のおかげで失点は最小限に抑えられた、とか。
ワールドカップに初出場した1998年のフランス大会でも、アルゼンチンに0-1、クロアチア(クロアチアはその大会で3位になった)にも0-1で、守備は通用したよねなんて一般人までが軽く口にしていたものだ。違うでしょ、守備重視の戦術だったからそのように失点を極力回避できただけ。
日本の弱点はもちろんフォワードのスキルの低さ・迫力のなさにあるけれども、それと双璧かそれ以上なのがセンターバックの能力不足なのだ。中澤とか闘莉王を見ていて意外に思うでしょう、でもそうです。スピードのなさ、1対1の弱さと対人スキルの低さ、そしてビルドアップの能力・センスの低さ。だからそれを回避するために、センターバックの前のゾーンから組織的な守備やプレスをかけ、パスコースを限定してセンターバックの負担を随分軽減しているわけ。
そのことは追々書いていきますのでちょっと横に置いときますが、そんなわけで、今大会のような守備重視の戦い方を今後の日本のフットボールスタイルにするんだったら守備は通用した、で構わない。今大会でやったサッカーを追求していけばよいのだから。でも、多くのみんなが求めている期待しているフットボールは違うんでしょ。そこの違いを明確にしようよ。そこを区別してハナシを始めようよ。そうしないとイカン。監督を誰にするかも同じこと。もし、今大会のサッカーが(今大会のサッカーで)良いってんなら岡田監督の継続もあるかもしれないし、岡田氏の路線や方針を実行できる人材に監督を任せることになる。そういうことだ。
しかし、犬飼会長が白紙と言ったのだったら、本当に本当に実際白紙なんだったら、それはもはや各国との監督招聘レースに周回遅れを喫している可能性もあるなぁ、、、そこはどうか知る由もないがそうだとしたら、何しろ日本サッカー協会の毎度のモタモタぶりはもどかしい。
ところで、小野剛氏が各局TVに呼ばれて出演していて、わかりやすい分析と解説でたいへん好評のようで。サッカーに無関心なレギュラーコメンテータですら、わかりやすくて興味をもったとか、これから見方が変わるみたいな反応を示している。
小野氏はスカウティング(偵察)と戦術分析の日本の第一人者だから。そういう解説のできる人をもっと早くから投入すれば、サッカーは退屈とか、なかなか点が入らないとか、シュートの時しか沸かない(沸けない)などという視聴者はもっと前から随分減っていたことだろう。局面局面が非常に面白く奥深く、それら幾つもの局面が同時的複合的に絡み合って、試合が流れ動いていくのだから。面白くないわけがない。頭の体操にもなる。

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