スペイン戦、スイスの守備について
2010.06.17
スペインVSスイスをもう一度見てみた。
スイスは確かに守備ブロックの構築に多くの人数を割いていたが、もうちょっと見てみると、最終ライン4枚の前にさらにもう1列のディフェンスラインを敷いていた。そこが5枚に見えたけども、でも攻撃時には1トップを孤立させることなく2列めから2人が前線に押し上げていたのは見事。日本チームだと、後半はこの押し上げがなくなりゴールチャンスが生まれにくくなるところ。
で、4枚の最終ラインと、その前の2列めのラインとの距離感が絶妙で、スペイン選手のバイタルエリアへの侵入を許さなかったのは見事だ。後半に入って、そこの距離感がルーズになってきて、そろそろスペインのゴールの可能性が出てきたぞと思っていた矢先のスイスのゴール。
もう1つ、4枚の最終ラインが結構中央に絞っていて、とにかく中央突破はさせまいという意図が感じられた。そうすると当然最終ラインの外側、両サイドにスペースがあるのでそこにはスペイン選手が入っていってクロスがあげるのだが、自軍ゴール前の空中戦には絶対の自信があったのだろう。
このようにある程度は捨てるところは捨て、単なる引きこもりではなく守備戦術をいかに構築するか、非常に見応えあるものだったと思われる。
守備ブロックが強固に張られた場合はサイドから崩して、などと杓子定規に言われるが、こういうケースもあるわけで。
スペインにしてみれば、サイドのスペースを人数をかけて、それも単にサイドにボールを運んでのクロスではなく、ダイアゴナルに走り込んだりドリブリングを交えてサイドのスペースを使う工夫があってもよかったような気がするが、、、そうして中央の人数をばらけさせ、そこで中央からのシュートを狙うとか。ま、十分に際どい惜しいシュートは打ってるんで、それがいつもは1つ2つは決まるのに決まらなかったのであって、机上の空論に過ぎないけど。
日本チームについては、今年2月の東アジア選手権の後(そのずっと前から)アンカーを置くことが必須じゃないかと言い続けてきたのだが(そしてその人材として明神を是非召集すべきと言っていたのだが)大会直前合宿になってどういう風の吹き回しかようやくアンカー(阿部勇樹)を取り入れたのがイングランドとのテストマッチ。でもその後も再び2ボランチ(2センター=2セントラルミッドフィルダー)に戻してみたり、よくわからん。もちろん先日のカメルーン戦、阿部勇樹をアンカーに起用していた。
阿部勇樹は今シーズンのJリーグで非常によいパフォーマンスを見せており、彼が好調を取り戻していたことは非常に幸運だったと言えるだろう。
19日のオランダ戦だが、やはり阿部勇樹を起用するのか。カメルーン戦でイエローをもらってしまっており、オランダ戦でもイエローをもらうと累積警告でデンマーク戦は出場できない。多くの人もそう思っているように、オランダ戦での阿部勇樹のスタメン起用は回避してデンマーク戦に備えてはいかがなのだろうか。
昨日のプチニュースは、関西大学の田中雄大(「セクシーフットボール」の野洲高校)が、ガンバ大阪獲得との下馬評を覆し、川崎フロンターレ入団が内定したこと。
楠神といい、實藤といい、段々とネームのある選手が集まってくるクラブになって行っているプロセスをリアル体験で見られている感じがする。